「ビジネスライフサイクル」でみる生命保険業界

誰から保険に入るか?

保険に入る時、あなたは誰から(どこで)契約しますか?
知人やショップだったり、今ならインターネットで人を介さずに契約することもできますよね。新規加入でも見直しでもいっしょなんですが、この「誰から(どこで)契約するか」というのはけっこう大事なポイントです。人は良いが商品がダメ、あるいは商品は良いが人がダメ、どちらであっても買う側からすると継続しにくいんですよ。保険って、ある意味安心を買っているわけで、そういうモヤモヤがあると不安になりますからね。

売る側はやっぱり自分の売りたい商品を勧めてきますからね。セールスマン・セールスレディーなんですから、それはあたりまえです。売りたい商品がお客さんのニーズにマッチしているなら、これは別に悪い話ではありません。実際に僕もある時までは自信をもって売っていましたから。

ただ、保険業界の人たちって、びっくりするくらい他社の事を知らないんです。自分が属している業界の事を知らないなら、隣接業界(証券や銀行)の流れなんて知るよしもないんですね。いわゆる、「情弱」なんです。全員がそうだとは言いませんが、大半はそうだと思います。だから、そういう人に当たってしまう可能性はけっこうあるということなんです。

生保業界のビジネスライフサイクル

ビジネスライフサイクル・・・って聞いたことあります?成長曲線、ハイプサイクルとも言われることがあります。あるビジネス(事業)が進化して衰退していくまでの流れを売上高と時間の二軸で捉えた周期のことです。主に、導入期→成長期→成熟期→衰退期の4つに区分されます。要するに、ビジネスの寿命ですね。

日本だと大体その周期が30年と言われています。生命保険業界にあてはめてみても、けっこう合ってるんです。

戦後、大量に発生した戦争未亡人を採用したのが、いわゆる「セールスレディー」の始まりで、高度経済成長期の頃くらいまでは、かんぽ職員とセールスレディー(漢字生保の営業職員)が主流でした。比較的長い期間続いたのは、競合が少なかったからですね。ところが、1970年代になるとアフラックやアリコジャパン(現メットライフ)といった外資系の生命保険会社が参入してくるんですよね。ここが外資系生命保険の導入期です。

80年代には、ソニー・プルデンシャルが「ライフプランナー」というコンサルティングセールスをやり始めました。保険だけでなく、税制や資産運用はもちろん、相続や事業承継などについても専門知識でもって客先にアプローチするやり方です。それが90年代初めになると急激に成長し出すんです。一方で、セールスレディーは衰退期に入っていくという流れです。

90年代初頭、ソニー・プルデンシャル・アリコジャパン(現メットライフ)が幅をきかせていく一方で、96年くらいに出てきたのが複数の保険会社を扱える乗合代理店が出てきて、さらにショップ型の代理店も登場してきたんですよね。TVCMでおなじみの『保険の窓口』の第1号店ができたのは、ちょうど2000年の時でした。ショップ型の代理店もまたしかりで、2006年くらいに出店ラッシュが始まってそこに競合も入ってきて2010年代には乱立し出して、今に至るというわけです。

それともうひとつ忘れてはならないのは、ウェブ系の保険ですね。これもTVCMでおなじみの『ライフネット生命』や『アイリオ生命保険』(楽天生命の前身)が営業を開始したのが2008年です。

こう見てくると、導入期→成長期までが15年くらいで、成長期→衰退期までも15年くらいなんですよね。

情弱な担当者に気をつけよう

冒頭で、「保険に入る時、あなたは誰から(どこで)契約しますか?」と聞きましたが、保険の相談相手がビジネスライフサイクル上のどのフェーズにいる人なのか、一度考えてみるのも良いと思いますよ。あえて質問してみても良いかも知れませんね。この記事と同じ内容が返ってきたら、生保業界にかなり精通している人だと思うので、知識面は合格点です 笑。


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