医療保険は入った方が良い?

各種SNSや雑誌などをみていると、「医療保険はもったいない」「健康保険で充分」のような『医療保険不要論』を目にします。実際、そのように決めて保険の見直し相談に来られる方もいらっしゃいました。

医療保険に入るべきなのか、あるいはそうでないのか。今日は僕なりの見解をお伝えしようと思います。

要旨

医療保険に入るべきなのかそうでないのかは、良い/悪いだけで安易に判断することはできません。日本の健康保険は世界に誇るすばらしい制度ですが、そうであってもケースバイケース、人それぞれの事情によって柔軟に考えるべきです。

今どきの医療保険の中には使わなかった保険料が還ってくるタイプもあるので、掛け捨てがもったいないと感じるのなら、それも検討してみると良いでしょう。

すばらしき「国民皆保険」の制度

日本で生まれ育っていると健康保険があたりまえのように感じますが、諸外国と比べると実はすごいことなんです。アメリカには(高齢者などを除いて)国民皆保険という制度がありませんので、医療保険を持っていない人がたくさんいます。

日本では老若男女すべての国民が健康保険に強制的に加入しますが、アメリカでは解雇などで無職だったりすると保険に入れてもらえないんですよ。保険料も高くて、自営業者で家族4人で健康保険に加入しようとすると、保険料が毎月15万円を超えることもざらにあります。

日本だと考えられないことですよね~。保険証を出してくださいって言われたら、誰もがスッと提示できるってすごいことですよ。ホームレスの人だって、保険証を持っていないだけで、申請すれば受け取れるわけですから。

「3割負担」のすごさ

現役世代の場合、病院の窓口で支払う金額は治療費の3割です。日常生活に支障のない、いぼ・にきび・あざ・わきがなどの外科治療や美容整形などは対象外ですが、健康保険ではかなり広範囲の治療をカバーしています。治療費10万円でも自分で払うのは3万円、それが100万円になると30万円・・・なんですが、実際の支払いはもっと少なくて済みます。

高額療養費制度

なぜなら、高額な医療費の自己負担額を軽減する「高額療養費制度」があるからです。この制度は、1ヶ月間(月末締め)で支払った医療費が一定以上になったら、超えた分を返還してくれる仕組みです。自己負担額は収入に応じて変わりますが、それでもかなり負担が軽減されることでしょう。

先ほどの例でいうと、治療費100万円の3割で自己負担額30万円ですが、高額療養費制度があることによって一般的な収入(年収370~約770万)の方なら、約21万円が返還されます。つまり、自己負担額は約9万円(87,430円)で済むのです。結果的に、自己負担3割のさらに3割のイメージですね。

ちなみに、ここではわかりやすいように治療費を一度立て替える例をあげましたが、あらかじめ「限度額適用認定証」の交付を受けて、病院の窓口に提示しておけば、ひと月の支払額が最初から自己負担限度額までとなります。一度払って差額を受け取って・・・というのがわずらわしい方は、最初から申請しておきましょう。

付加給付制度

会社勤めの方は一度確認しておくと良いのですが、企業の健康保険組合によっては「付加給付制度」というのもあります。これは、企業側であらかじめ1ヶ月間の医療費の自己負担限度額を決めておいて、限度額を超過した費用を払い戻す制度のことです。

それはつまり、高額療養費制度にさらに上乗せして企業が独自に給付を行っているということになります(福利厚生)。ただしこの制度は、会社勤めの方のみが対象で、国民健康保険に加入する自営業者は対象外となります。

僕が初めて勤めた会社では自己負担額は44,000円でしたし、次の会社では25,000円でした。企業によって差はありますが、手厚い補償であることに変わりはありません。

医療保険は不要?

このように見てくると、日本の健康保険制度は、すでにかなりの補償を兼ね備えていることがわかります。「だから、医療保険は要らない。」という結論になるのです。

一方で、「でも、医療保険は必要。」という見方もできます。というのは、健康保険でカバーできるのはあくまでも治療費のみなので、入院時の食事代や個室料金(差額ベッド代、1泊5,000円~3万円くらい)、入院にかかる日用品の買い出しなどの雑費などが重なるからです。

いわゆる大部屋(4~6人で病院によって異なる)なら差額ベッド代はかかりませんが、見ず知らずの人たちと寝泊まりするのはストレスがかかります。うめき声やいびき・寝言などが、夜な夜なカーテン越しから聞こえてくる光景を想像してみてください。まったく気にならない方もいるかもしれませんが、僕なら耐えられません。

また、自営業者の場合、入院している間は収入がなくなってしまうので、その補填も考えておかなければなりません。会社勤めの方は有給もあって、黙ってても決まった金額が毎月入ってきますが、フリーランスの場合はそうではないのです。

このようにみると、安易に「医療保険は不要」とは言えないのです。良い/悪いの単純な図式ではなく、ケースバイケースで柔軟に考えるべきだと、僕は思います。

医療保険は掛け捨て?

『医療保険不要論』の背景には、「健康保険制度が充実しているのに掛け捨てしてまで医療保険に入るのはもったいない」という考えがあるのではないでしょうか。たしかに、月々の保険料と支払う年数を考えると一理ある感じがします。

試しにある医療保険で計算してみると、35歳女性入院1日1万円の設計で月々5,067円です。これを平均寿命の83歳までかけ続けるとすると、48年間支払うことになります。つまり、「5,067円×12ヶ月×48年=2,918,592円」となります。言い換れば、「健康保険があるのに保険会社に300万円も払うなんてもったいない」となるのです。

先ほども言いますが、ここに価値を感じるかどうかは人それぞれですので、周りに流されずに冷静に考えるべきだと思います。

そのうえで、今どきの医療保険の中には、使わなかった保険料が還ってくるタイプもあります。病気になるかどうかわからないのに掛け捨てしてまで・・・と考えるから悩むのであって、最終的にお金が入ってくるのであれば何も問題ないのではないでしょうか?

医療保険は掛け捨てがすべて・・・ではありません。保険を見直しの際は、頭の片隅に入れておいてください。


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