iDeCo(イデコ)はデメリットだらけ?一問一答

「老後2000万円問題」や「コロナ増税」・・・先行き不安なニュースばかりを耳にしていると、財布のひもを固く締めたくなってしまいますよね。

かといって、銀行にお金を預けても、超低金利化なので増える金額は雀の涙ほど。それならば話題のiDeCoをやろうと思ったけど、なんだか面倒くさそうでデメリットも多そうだから、なんとなく先延ばしにしてしまっている。

そんな方はこの記事を読んでください。

要旨

よく言われるiDeCoのデメリットについて、一問一答形式で答えています。デメリットと言われていることが、視点を少し変えてみれば、人によっては大きなメリットだったりします。記事を読みながら、「私の場合はどうなんだろう?」と自分目線で考えてみてください。

iDeCoって何?

iDeCoの正式名称は「個人型確定拠出年金」といって、任意で加入して、自分で掛け金の運用先を選べる年金制度です。要するに、国民年金の上乗せです。

最大のメリットは、掛け金が全額所得から控除されて、運用益は非課税ということ。これだけ堂々と税制が優遇されているんだから、積極的に使った方が良いに決まっています。

iDeCoのデメリットへの僕なりの回答

ただし、良いことばかりではありません。物事は表裏一体、良し悪しはついてまわるのが世の常です。

とはいえ、良し悪しといっても、結局のところ、その人によりけりなんですよね。だから、「デメリット=悪」とは一概に言えないところがあります。別の角度からみたら考え方が変わるんじゃないかと思い、一問一答形式で僕なりに答えていきたいと思います。

デメリット1.原則60歳まで引き出せない

iDeCoの目的は、将来(自分が年金を受け取るようになる時期)のための資産形成です。そのため、原則60歳までは途中で掛け金や運用益を引き出すことができなくなっています。

たしかに、iDeCoを脱退し一時金を受け取れるケースもあります。でもそれは、国民年金保険料の納付が免除されていて、通算拠出期間が3年以下・個別管理資産額が25万円以下であるなどの場合だけです。つまり、よほどの事がない限り、60歳までは引き出せないということです。

お金が貯まらないのは途中で引き出して使ってしまうから。ダイエット宣言したのに怠けて普段通りの生活に戻ってしまうのといっしょです。「60歳まで引き出せない」ということは、確実に貯まるということです。

デメリット2.掛け金の上限がある

iDeCoで掛け金を支払うことを「拠出(きょしゅつ)」と呼びます。拠出金額は職業などによって上限が決まっています。ざっくり言うと、フリーランスの場合は毎月68,000円まですが、会社員や公務員で企業年金がない場合は毎月23,000円、企業型DC(確定拠出年金)に加入している場合は毎月2万円までになっています。

所得から控除されるのは、あくまでも掛けた金額ですので、勤め先の状況によってはメリットが少ないと感じるかもしれません。

少ないと感じる金額だからこそ、無理なく続けられるともいえます。上限いっぱいまでやったうえで、まだ余裕があるならば他の積立もやりましょう。

デメリット3.投資の知識が必要

iDeCoは掛け金の運用先を自分で選択する制度(元本確保型か投資信託)のため、知識不足からなかなか始められない人も多いと思います。「リターンは大きいが元本割れのリスクがある運用先」、あるいは「リターンは低いが元本保証のある運用先」などを見極めるためには、投資の知識が必要です。

知識不足を気にするばかりでは、いつまで経っても始められません。それこそデメリットになっていると思いませんか?知識は始めてから身につければ良いのです。この記事のように、ネット上には星の数ほどたくさんの情報が存在します。

デメリット4.手続きが煩雑で時間がかかる

iDeCoは自分で金融機関を選んで、口座開設手続きを行い、そのうえで自分で運用する商品を選ばなくてはなりません。厚生年金などは勤め先の人事総務の方がオートマチックにやってくれますが、iDeCoの場合は全部自分でやる必要があります。

「国民年金の上乗せ」という制度の性質上、どうしても書面のやり取りが多くなります。資料請求はオンラインでできますが、その後のやり取りは郵送になります。僕の場合、申請してから積立を始めるのに4ヶ月ほどかかりました。

デメリット5.手数料や維持費がかかる

iDeCoの専用口座を開設する際、国民年金基金連合会に支払う加入時手数料(2,777円)がかかります。また、掛け金を拠出している間は、国民年金基金連合会や事務委託をしている金融機関に対し、毎月合計167円の手数料を支払わなければなりません。

ネット証券会社などでは「加入時手数料・口座管理手数料が無料」と謳っているところもありますが、これはあくまでも、その金融機関が独自に設定できる手数料が無料という意味です。

上記の手数料や維持費がかかるのは事実ですが、それはあたりまえの話です。銀行の「振込手数料」やコンビニの「支払代行手数料」など、手数料はかかるのです。でも、それ以上のメリットに目を向けてトータルで考えれば良いのではないかと、僕は考えます。

デメリット6.誰でも加入できるとは限らない

以下の方は、iDeCoに加入できませんので注意しましょう。※2021年3月時点

・国民年金保険料を支払っていない人
・60歳以上の人
・海外在住の人
・勤務先の企業型DCの規約でiDeCo加入が認められていない人
・農業者年金に加入している人
国民年金保険料を払わずして、積立を始めようなどと考えてはいけません。他の条件については、改善されるかもしれませんね(実際、2022年4月に改正があります)。

デメリット7.受け取る時に課税される場合がある

iDeCoで貯めたお金の受け取り方は、下記の3つです。

・70歳までの一時金として一括で受け取る
・年金で受け取る
・一時金と年金を併用して受け取る

例えば、退職金がある会社勤めの方の場合、退職金の受け取りと同時にiDeCoのお金も受け取ろうとすると、退職金の控除枠を超えてしまう恐れもあります。あるいは、年金で受け取ろうとしても、そもそもの厚生年金額が多い方の場合はやはり税金がかかります。

ケースバイケースになりますが、受け取りの時期(出口)が近づいてきたら、じっくりと検討してみる必要があります。

今は制度がスタートしてからまだ間もないこともあって、受け取り時期についてはあまり話題にあがりません。この先10年,20年後にたくさん情報が出てくると思いますので、そのタイミングで情報をキャッチすれば良いと思います。

この際だから、NISA(つみたてNISA)も検討しよう

よくNISAとiDeCo、どちらが良いんですか?と聞かれます。これについては、「どちらが良いか」ではなく「どちらもやる!」というのが正解なのです。

NISAにせよiDeCoにせよ、一長一短はありますので一概に比較することはできません。どちらか一方を選ぼうとすると、水かけ論に陥ってしまいます。ホント、その時間がもったいないですよ。両方やることで互いの足りない部分を補えますので、結果としてあなたの資産形成がずっとうまくいくようになるのです。

追記.資産形成方法の唯一の正解

もう少し広い目でみると、資産形成の手段はたくさんあることに気づくと思います。預貯金、保険、株、不動産・・・たくさんありますよね。しかし、話を聞いてみれば、保険屋は保険が一番と言い、不動産屋は不動産が一番と言うのです(ポジショントーク)。

さきほども書きましたが、どの金融商品にも一長一短があります。なので、「どれが良いか?」ではなくて「全部やる!」のが唯一の正解なんです。

あなたの手元に1,000万円あるとしましょう。ハイリターンを狙って株に投資しますか?→暴落したら一瞬でパーです。あるいは、大切に預貯金に入れておきますか?→まったく増えません・・・このように一カ所だけで資産を回そうとすると、思考停止状態になって何もできなくなるのです。

これを解決するには、「分散すること」なんです。将来の積立はもちろん大事ですが、今日明日食べていくための現金も大切です。あたりまえの話なんですが、つい忘れてしまいがちなのでしっかりと胸に刻んでおきましょう。


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