【注意】火事場泥棒は実在する!

火事場泥棒・・・「火事で混乱した現場で盗みを働く事、または実際に盗みを働く者。それが転じて、人々がパニックになっている中で利益を得る事、または利益を得る者」を指します。水戸黄門や暴れん坊将軍などの時代劇でも、悪代官から言われるがままに呉服屋などに火を放ち、隙を突いて金品を根こそぎ奪い去ろうとする輩が登場します。古くは江戸時代、いやもっと前から存在したのかもしれませんね。

遠い昔の話かと思いきや、現代でも悪性たくましく生き延びています。記憶に新しい2011年の東日本大震災や2016年の熊本地震でも被害は報告されています。人の不幸につけ込んで私腹を肥やそうとする、悪質極まりない非道な輩です。

最近では、火災保険の保険金請求にかこつけて、不当に利益を得ようとする輩がいます。実際、僕の知り合いもその被害に遭いました。ひょっとしたら、あなたの家も狙われているかもしれません。

要旨

火災保険を悪用した「修繕詐欺」が横行しています。請求代行とかこつけて手数料をふんだくろうとする輩は、まさに火事場泥棒そのもの。近年では、手口が巧妙化してきているので要注意です。

保険金請求は契約者自身がするもので、保険会社の営業担当者であれば無償で手伝ってくれます。「無償」といっても、その分もちゃんと保険料に含まれていますので、謝礼や手数料を払う必要はそもそもないのです。

ナゾの保険金請求代行

ご存じのとおり、保険というのは契約するだけでお金が受け取れるわけではありません。「死亡した」「手術をした」「台風で飛ばされてきた瓦で窓ガラスが割れた」「豪雨で家が浸水した」というように、何らかの原因(トリガーといいます)が必要です。そしてそれは、契約者自身が保険会社に請求(申請)して初めて支払いの手続きが始まるのです。

ただし、保険でお金をもらえるとは思っていなかったというケースもあって、人から言われてはじめて気づくというパターンもあります。台風で家が半壊したならまだしも、瓦が何枚か割れたなど生活に支障をきたさないレベルでは気がつかないのも当然です。

現に、2018年の台風21号や2019年の台風19号などの被害では、こちらから連絡をして請求をしてもらった方もいます(これを「請求勧奨」といいます」)。あたりまえですが、これは保険会社の営業担当者としての当然の行為であり、連絡も書類などの準備の手伝いもすべて無償で行っています。保険料にはその費用も含まれているからです。

しかしながら、ここにつけ込む悪い輩もいて、請求手続きを手伝う代わりに保険金がおりたら、手数料としてその何割かを契約者に要求するのです。認定被害額100万だとして、その3割だとしたら30万です。これは本来発生しないはずのお金です。

暗躍する悪徳業者

代行手数料は要求しない(「無料でお手伝います」と近寄ってくる!)が、特定の施工業者を使うように指示されるケースもあります。僕の知り合いが被害に遭ったのはこのケースで、「落雷のせいにすれば壊れた店のエアコンを直せる」という内容でした。

火災保険の保険請求では、修復にかかった工賃や取り替えた費用などの見積書(領収書)が必要になりますので、電気工事などの場合は専門業者に依頼することになります。施工業者としては、現金が入ってくれば良いだけで誰から取ろうが関係ありません。目の前の人間が払えないのなら、保険会社からお金を取ればイイと考えているのです。

タダの代償

ハッキリ言いますが、保険会社はアホではありません。たまに「出し渋り」と言う人がいますが、それは違います。しかるべき理由があれば保険金を支払うし、そうでなければ支払えないというあたりまえの話です。

このケースでは、落雷が起きた日から数ヶ月経過していることや直接の原因が特定できなかったことなど不審な点があったため、保険金は支払われませんでした。当然ですよね。

そして、事態は最悪の結末を迎えます。契約者はもちろん悪徳業者も想定外だったと思いますが、保険会社から契約の更新不可の旨(「謝絶」といいます)を告げられたのです。もちろん、無知さ故の行為であって、契約者自身に悪気はないかもしれませんが、保険会社はそうは見ません。周りがそういう良くない環境なのだと判断します。

結果、損するのは契約者自身

こうなると、その保険会社では新たに契約を結ぶことはできません(リストに記録が残ります)ので、別の保険会社を探さなければならなくなるのです。

「保険会社なんて星の数ほどたくさんある」と思うかもしれませんが、申込の段階で引き受けてくれるかどうかはわかりません。ましてや、まともな営業マンであれば、以前の担当者や契約内容のこと、なぜ会社を変えることにしたのかなどをヒアリングします。僕だったら、付き合うのはイヤですから。

当の悪徳業者と仲介した人間は今でものうのうと暮らしていることでしょう。業者としては、保険金請求に必要な見積書を書いただけで、実際に着工したわけはないので、懐はどこも痛くありません。結果、契約者だけが損をしたのです。

このような善人の無知につけ込んだ詐欺まがいの行為が、あなたの周りでも平然と行われているのです。どうか、対岸の火事と思わず、頭の片隅に入れておいていただければ幸いです。


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